最近の母

母が寝たきりになって1年が過ぎた。去年の今頃は腰の骨の手術を受けて大変な時期であった。高齢者の方は普通に生活していても入院などで環境が変わるとおかしくなってしまう方が多いようだ。母も意識もはっきりせずに次から次に余病が出てきて家族も不安だった。幸いにも9月末になんとか退院、又施設に戻れて一安心。正直言ってこの時点では再入院も覚悟していた。施設の方達の手厚い介護のお陰で今では見違えるほど元気になれた。退院後はおしめ交換や体位変換の時は必ず二人以上で行うこと(骨折の恐れあり)など手を取るし腫れ物にさわる状態だった。今では食事も口から食べて(遺漏の処置をしてあり、口からは飲まず喰わずの状態だった)病院の看護士たちもビックリされている。相変わらず食は細いが口から食べられるので差し入れも出来る。新聞も読んでいるようだし(どの程度かは?)ベッドを起こしても少しの間なら自分の力で座っている。
しかし、今日はショックだった。
一週間前に遺漏の器具の交換予定だったが 行き違いが重なり病院にドライブだけした感じ。付き添うために母の所に行ったら「来てくれなかったらどうしょうかと不安だった」と言う。私の顔を見て安堵したようだった。病院から帰って「来週も病院に行くけれど、私がちゃんと付いていくのだし処置も大したことはないからね」と何回も説得しておいた。次に母を見舞う度にも言い聞かせておいた。なのに今日母の所に行くと泣きそうな顔で「どうして来てくれないんだろう?事故にでもあったのだろうか?もう私は見捨てられたのだろうか?」と次から次から体を震わせながら言う。不安でたまらなかったようだ。あんなに言ってあったのに記憶にないようだ。夢と現実がわからなくなったりと変わりつつある。父の時のように毎日見舞うことは出来ないが休みの日にはほとんど見舞っている。夜に行くと施設は7時にはホールの灯りも落として静かになっている。迷惑をかけてはいけないと夜の訪問は自粛する。少しでも安定した毎日を送って欲しいと願う今日この頃。